
今日は、hiyokoです。総合病院で薬剤師として勤務しています。

新薬を調べていたらRMPという言葉が出てきたよ!

RMPの役割について調べていこう!
新薬や安全性が気になる薬剤を調べる時に必ず出てくる“RMP(医薬品リスク管理計画)”。
でも専門用語が多く、「結局何をまとめた資料なの?」 と感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、RMP の役割・重要なリスクの種類・不足情報の意味・監視計画・最小化計画を、
初心者の方でもわかりやすいようにまとめました。
副作用説明や新薬の確認に役立つ内容になっているので、忙しい現場の薬剤師さんでも短時間でサッと理解できるようにしています。
【基礎】医薬品リスク管理計画(RMP)とは?
RMPとは、医薬品を安全に使うため、「どんなリスクがあり、どう監視し、どう最小化するか」をまとめた計画書のことです。薬を開発してから市販された後まで行うリスク管理を計画書にまとめています。
新薬は臨床試験での安全性が確認されています。しかし、実際に使用される医療現場の患者さんは被験者よりも年齢にばらつきがあったり、病気の背景も様々です。
また、あまり頻度の高くない、稀な副作用は臨床試験では見つからなかったり、長期間薬を使用することで初めて発生する副作用もあります。
新医薬品は臨床試験のデータだけでは限界があるため、市販後のリスクを予測して早期に把握し、被害を防ぐことが目的です。
RMPは次の3つで構成されます。
- 安全性検討事項(どんなリスクがあるか)
- 安全性監視計画(どう調査するか)
- リスク最小化計画(どう防ぐか)
薬剤師は、添付文書やインタビューフォームの読み込み、患者説明、副作用報告などでこの内容に直接関わるため、基本構造を理解することが重要です。
安全性検討事項とは?3つの分類を解説
安全性検討事項は、RMPの中心となる部分。医薬品の「リスク」を3種類に分類します。
① 重要な特定されたリスク(Identified Risk)
既に因果関係があると判断されている副作用です。
例えば、
- 血栓症
- 重篤な肝障害
- 重篤な皮膚障害など
既に起こることが分かっている為、添付文書でも“重要な副作用”として記載されることが多い内容です。
② 重要な潜在的リスク(Potential Risk)
まだ因果関係は確定していないものの、薬理作用や過去の報告などから、起こる可能性がある副作用です。
例えば、
- 類薬での心毒性
- 海外での症例報告
- 機序から想定されるリスクなど
まだ、薬が原因とははっきりしていないものの、将来的に“重要な副作用”になりうる内容です。
③ 不足情報(Missing Information)
十分なデータがないため、リスク評価ができない領域です。
例えば、
- 妊婦
- 小児
- 高齢者
- 腎・肝機能障害患者
- 長期使用時など
対象患者に対する情報が集まっていない為、実務では「この患者群はデータが不足しているから慎重に使う」という判断に直結します。
安全性監視計画とは?
安全性監視計画とは、上記のリスクを、どのように把握し、評価していくか計画した内容のことです。
新薬発売後も、特定の患者さんの追跡調査や、医療機関からの副作用報告の収集、臨床研究など調査が行われ、新しいリスクが見つかれば、情報が更新されます。
新薬は海外でも販売されることが多いため、海外の安全性情報なども収集されます。
主に以下が含まれます。
- 副作用報告(自発報告)
- 再審査(市販後調査)
- 使用成績調査(PMS)
- 製造販売後臨床試験
- 特定使用成績調査(特定患者群:妊婦等)
薬剤師が関わる場面としては、
- 患者向けの薬剤管理指導
- 副作用疑い時の報告
- 使用成績調査票の記入
- 医師への情報共有
などがあります。薬に関わるリスクの内容を他職種や患者さんへ発信していくことが求められます。
リスク最小化計画とは?薬剤師が関わる場面
リスクを減らすための具体策をまとめたものです。安全性検討事項で既に分かっている副作用をなるべく減らすために、どのような活動を行なっているかが記載されています。
リスク最小化計画には大きく分けて2種類あります。
追加的リスク最小化計画(追加RMP)
添付文書だけでは不十分な場合に行う、特別な対策です。
例えば、
- 患者向けガイド(リスク説明冊子)
- 医療従事者向けチェックリスト
- 定期検査の実施(血液・心電図など)
- 投与施設の限定など
新薬でよく見る“RMP患者カード”などはここに該当します。
また、対象薬剤の冊子には、青色で「RMP」のマークの記載が行われます。

患者さんも気付きやすいね!
通常のリスク最小化計画(基本RMP)
添付文書やインタビューフォームに記載された内容です。
- 投与量の注意
- 禁忌
- 相互作用
- 注意すべき症状
- 定期検査など
薬剤師の業務では、服薬指導・医師への情報提供・患者への注意喚起などで最小化計画を活用します。
【FAQ】RMP に対するよくある質問
ここでは、RMPに対するよくある質問をまとめました。
Q1:RMPは誰でも見ることができる?
A:RMPは医療従事者、患者問わず、誰でも確認できます。独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページで公開されています。また各製薬会社の公式サイトでPDFを提供している場合もあります。
Q2:添付文書とRMPの違いは?
A:添付文書は「現時点でわかっている安全性」、RMPは「将来起こり得るリスクも含めた安全対策」について記載している、という違いがあります。
Q3:薬剤師実務でRMPはどう活かす?
医師や患者への情報提供などで使います。RMPは誰でも確認することができます。
「新薬の安全性を把握する」「副作用の早期発見」「患者指導」など、実務の色々な場面で活躍します。
まとめ:薬剤師がRMPで押さえるべきポイント
RMPは「新薬の安全性を守るための計画書」です。
特に、「重要な特定されたリスク/潜在的リスク/不足情報」の3つを理解すると実務に強くなります。
新薬の導入時や患者指導では、RMPの内容を確認することで、より安全な薬物治療ができるため、薬剤師として新薬や高リスク薬を扱う際は、PMDAや製薬会社のRMPを一度確認する習慣を身につけておきましょう。
以上、hiyokoでした^^
以下の項目の試験対策としてまとめました。
日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験 出題基準
Ⅱ.基本的業務の向上を図る
Ⅱ-3:医薬品情報
●医薬品リスク管理計画(RMP)について理解している。

以下の資料を参考にしています。
・独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan)」


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