
今日は、hiyokoです。総合病院で薬剤師として勤務しています。
「患者申出療養制度」という名前を聞いたことがありますか?私はお恥ずかしながら、今回認定薬剤師資格の為に勉強するまで全く知りませんでした💦
本記事では、患者申出療養制度の概要を整理し、薬剤師としてどのように関わるべきかを考えます。自己研鑽の一環として制度理解を深めることを目的としています。
患者申出療養制度とは何か
まず、患者申出療養制度がそもそもどのような制度なのか、その位置付けや制度の背景を整理します。制度の基本を押さえることで、具体的な流れや先進医療との違いも理解しやすくなります。
制度の位置づけ
患者申出療養制度とは、治療困難な病気を持つ患者さんが未承認薬等の安全性・有効性等を確認しつつ、できる限り身近な医療機関で受けられるようにする制度です。将来的に保険適用につなげるためのデータ、科学的根拠を集積することを目的としています。
この制度は、混合診療禁止の原則の例外(保険外併用療養費)の制度として設けられています。
制度創設の背景
制度ができた背景には、混合診療禁止の原則や患者ニーズの多様化があります。
日本では、保険診療と自由診療を混合して行う、いわゆる「混合診療」は原則として禁止されています。その為、従来の保険診療では対応できない患者は、保険診療と自費診療を併用できず、未承認薬や適応外使用薬へのアクセスが制限されていました。
こうした状況を受け、患者自身の申し出を起点として、安全性と有効性の確認を前提にした医療を提供できる制度として、患者申出療養制度が導入されました。
制度の仕組み
この段落では、患者申出療養制度の対象となる医療や、実施までの手続きの流れを具体的に説明します。
対象となる医療
- 未承認薬
- 適応外薬
- 未評価技術、など
上記の中で、将来的に保険適用をめざすための計画が立てられる医療かつ、計画を立てるために必要なデータ、科学的根拠があるものが対象となります。

何でも対象になる訳じゃないんだね!
実施までの流れ
患者さんから「未承認薬を使ってみたい」「適応外の薬を使用したい」と申し出ることからスタートします。患者さんが主治医と相談し、臨床研究中核病院で評価および計画書の作成を行い、国の会議での検討を経て、実施医療機関で治療の実施に至ります。
先進医療との違い
患者申出療養制度と先進医療は混同されやすいため、比較しながら違いを整理します。制度の目的や起点、保険収載との関係に注目します。
起点の違い
患者申出療養制度は、患者さんからの申出を起点とし、未承認薬などの使用について、安全性などを一定程度確認した上で治療を行います。
一方、先進医療は、医療機関が起点となり、先進的な医療を実施します。

どちらも、難病の患者さんには重要になってくるね!
目的の違い
患者申出療養制度は、個々の患者のニーズに応える制度です。未承認薬・適応外薬などに個別対応し、保険適応に繋げるデータは蓄積しつつも、必ずしも保険収載を前提としているわけではありません。
一方、先進医療は、将来的な保険収載を目指す為の評価制度です。有効性や安全性、費用対効果を評価して、データを蓄積し、「この医療技術を保険適応にするかどうか」を検討します。
保険収載との関係
患者申出療養制度は、結果的に保険収載につながることもあるものの、直接の目的にはしていません。

今、この難病の患者さんにどうするかだけ考えているね!
一方、先進医療は、保険収載を目指し、エビデンスを積み上げることで、将来的に保険診療になる可能性がある医療技術です。保険収載の為の準備段階とも言えます。
制度のメリットと課題
制度には患者にとっての利点と、医療現場での課題があります。本節では、メリットと課題を整理し、制度の全体像を把握します。
メリット
患者申出療養制度のメリットは、患者の治療の選択肢が増えることです。特に、難病の患者さんはそもそも治療薬がなかったり、限られていたりして、治療の幅が狭まっていることがあります。
一定の安定性が認められた未承認薬などを使用することで、治療の選択肢が増えることがメリットです。
課題
患者申出療養制度は、「保険外併用療養費」の制度です。その為、未承認薬の費用など、保険適用されていない部分については、原則患者さんの自己負担となります。

自己負担が大きいのはネックになりそうだね・・・
その他にも、エビデンスが確立する前の医療を提供することや、実施する医療機関側の体制作りなど、課題は様々です。
薬剤師として考える制度への関与
患者申出療養制度に直接関わる医療機関や薬剤師は少ないかもしれません。
もし、実際に関わることになった場合、
- 未承認薬情報の評価
- 文献検索と内容精査
- 安全性管理
- 医療チームへの情報提供
など、多くの役割が挙げられます。
患者申出療養制度は、個別症例ごとの対応になる為、倫理的視点を持ち、患者と制度の橋渡しを行うことが一層重要になります。
まとめ
患者申出療養制度は、勤務する病院によってはあまり馴染みがない制度かもしれません。
一方、将来の患者さんのニーズに応える可能性を考え、制度自体を理解しておくことは重要です。基本的なことから少しずつ、理解を深めていきましょう。
以上、hiyokoでした^^
以下の項目の試験対策としてまとめました。
日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験 出題基準
Ⅰ.医療倫理と法令を順守する
Ⅰ-2:医療制度
●患者申出療養制度について理解している。
以下の資料を参考にしています。
・厚生労働省「患者申出療養制度」「先進医療の概要について」


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