
今日は、hiyokoです。総合病院で薬剤師として勤務しています。
「子どもに手がかかる間は、夜勤は無理…」
そう思いながらも、「病院薬剤師=夜勤必須?」と不安に感じていませんか。
実は、病院によって夜勤の有無や体制は様々です。
また、夜勤がある体制でも子育て中は免除されたり、別の働き方を選んでいる薬剤師も少なくありません。
この記事では、
- 病院薬剤師の夜勤の実態
- 子育て中に夜勤が難しい理由
- 無理をしない現実的な選択肢
- 病院側と相談するときのポイント
を、子育て中の薬剤師目線で分かりやすく解説します。
「辞める」前に知ってほしい選択肢を、ぜひ確認してみてください。
結論|子育て中の夜勤は「必須ではない」ことが多い
病院薬剤師と聞くと「夜勤が当たり前」というイメージを持つ人も多いかもしれません。
ですが実際には、子育て中だからこそ夜勤を免除されているケースや、夜勤自体がない病院も存在します。順番に整理していきましょう。
病院薬剤師の夜勤の実態とは?
一口に「夜勤」といっても、その内容や負担は病院によって大きく異なります。
ここでは、夜勤・当直・オンコールの違いや、夜勤がある病院・ない病院の特徴など、全体像を分かりやすく整理します。
夜勤・当直・オンコールの違い
病院で働く薬剤師の夜間の仕事形式は病院によって異なります。
- 夜勤:深夜業務。労働基準法では原則として「22時〜翌日5時まで」。
- 当直:勤務時間外に当番制で病院内に待機すること。夜の当直は「宿直」と呼ばれる
- オンコール:勤務時間外に当番制で病院外(自宅など)で待機し、呼び出しがあった際に対応する
夜勤の場合は、夕方に出勤して勤務開始、当直の場合は、通常の日勤業務から続けて当直に入る(例:8時半〜17時まで日勤、17時から〜翌日8時半まで当直、など)ことが多いようです。
夜勤がある病院・ない病院の特徴
夜勤がある病院は、大学病院などの急性期病院や、緊急入院が多い病院(救急科や産婦人科がある、など)に多くみられます。
一方で、療養期病院や一般病院の場合は、緊急を要する患者が少なく、夜勤する薬剤師は少ないようです。
夜勤の頻度
夜勤の頻度は病院によって異なりますが、私の病院の場合だと、
- 未就学児がいる家庭:免除
- 小学生(低〜中学年)がいる家庭:土日など月1回程度
- 小学生(高学年)〜がいる家庭:月2〜3回など、他のスタッフと同程度に近づく
という感じです。
頻度については病院規模・人員体制による差が大きいですが、子育てに理解がある職場を選んでいる場合は、「フルで夜勤できる人」と同じ頻度を求められることは、実際は少ないと思います。
勤務形態の目安
どうしても子供に手がかかるなどの理由で夜勤が難しい場合は、以下の勤務形態も検討できます。
- 夜勤を免除してもらう代わりに、日勤や土日祝日勤務を多めにする
- 当直はできないが、オンコール担当だけ引き受ける
- 正社員のまま、夜勤なし契約や時短勤務(夜勤免除)で働くなど
自分が夜勤出来なくて、肩身が狭い、と感じる必要はありません。夜勤以外にも、別の形で病院に貢献できることは選択肢として沢山あります。
子育て中に夜勤が難しい理由
実際「気合いが足りないからできない」のではなく、子育て中の夜勤には現実的な壁があります。
多くの薬剤師が感じている代表的な理由を、具体的に見ていきましょう。
保育園・学童が夜勤に対応できない
企業主導の保育園や夜間保育所を除いて、一般的な保育園や学童は夜間の保育を行なっていません。
配偶者が仕事で不在、両親が遠方に住んでいる、などの理由でワンオペで子供を夜間みている場合は、子供の預け先がなく、夜勤自体が難しいです。
配偶者の勤務形態との調整が難しい
配偶者が夜間勤務をしている、残業が多く仕事の帰りが遅い、などの場合も、夜勤が難しくなります。
保育園のお迎えや夕ご飯の準備、お風呂など、夕方〜夜のタスクは盛り沢山。夜勤開始時間が迫る中、いつ帰ってくるか分からない配偶者を待つのはリスクが大きいです。
子どもの体調不良や急な呼び出しへの不安
当直予定の日に、子供が急に体調不良になったり、保育園から呼び出しがある不安も常にあります。
配偶者が対応できる場合は良いのですが、保育園から呼び出された後の小児科受診や、薬局やドラッグストアでの必要品の買い出しなど、夜勤開始時間までにタスクが終わるか心配になることも。
体力・メンタル面への負担
夜勤や当直が終わった後は通常業務よりも疲弊していることも多くあります。
特に薬剤師の夜勤は一人体制のことが多く、救急患者への対応など夜間に頻繁に業務が発生する場合は、仮眠が中々取れないことも。
夜勤明けで帰ってきたら、家事や子供達の相手で仮眠を取る暇がない、そんな時は体力やメンタル面での負担が大きいです。
子育て中の病院薬剤師が選びやすい現実的な選択肢
夜勤が難しいからといって、すぐに「退職」や「転職」しかないわけではありません。
ここでは、今の病院で続ける選択肢から、働き方を変える方法まで、現実的に選ばれているパターンを紹介します。
夜勤免除(常勤のまま働く)
常勤のまま、子供が大きくなるまでの一定期間、夜勤を免除してもらう相談をしてみることもお勧めです。
また、労働基準法によると、妊産婦の場合は、自ら夜勤免除を請求した場合、会社側はそれを受け入れなければならないことになっています。
私はこの制度を知らず、妊娠後期まで夜勤をしていましたが、いつ急な陣痛や破水が起こるか分からず、ヒヤヒヤしながら一人の夜を過ごした経験があります。
職場の状態にもよると思いますが、子育て中や妊産婦の夜勤は身体に負担もかかるため、免除申請を是非お勧めします。
時短勤務・日勤のみ勤務
職場の制度によっては、時短勤務や日勤のみ勤務が選択できることがあります。
制度があるかどうかは、病院によって異なるので、確認してみることがお勧めです。正社員のまま、希望の条件で働き続けることが出来ます。
パート・非常勤という選択
職場の制度が充実しておらず、望まない夜勤や当直が必須になってしまう場合は、パートや非常勤勤務を選択することも可能です。
子供が小さい内は、パートで働き、手がかからなくなってきたら正社員に切り替える、という選択肢も良いかもしれません。
夜勤の少ない、または無い病院へ転職する
職場の風土的に子育て世帯に理解が薄く、夜勤が頻繁に入れられてしまう場合は、職場を変えてみるのも一つの手です。
療養期病院や一般病院など、夜勤が少ない、または無い病院に転職することで、自分の生活を守りつつ、キャリアも積み重ねていくことができます。
夜勤について病院側と相談するときのポイント
夜勤の相談は、切り出し方ひとつで印象が大きく変わります。
この章では、病院側と角が立ちにくい相談のコツや、実際に使いやすい考え方を解説します。
相談するタイミングは「早め」がベスト
夜勤のシフトを組まれてから、「夜勤出来ません」と伝えると、シフトの再調整が必要になり、職場にも負担がかかります。夜勤についての相談はなるべく早く行うことをお勧めします。
私の場合は、下の子が3歳までは時短勤務と決めていたので3歳になる3ヶ月前に、夜勤免除の申請を行いました。
厚生労働省では、免除申請は制度利用開始予定日の1ヶ月前までとしていますが、シフトは数ヶ月単位で既に組まれていることもあるので、なるべく早めの相談がお勧めです。
・厚生労働省「育児休業制度 深夜業の制限」
「できません」ではなく「今は難しい」と伝える
実際に経験してみないと分からなかったこととはいえ、現在の夜勤体制がある職場を選んだのは自分自身です。
なので、夜勤は「出来ません」ではなく、「子育て中の今は難しい」というニュアンスで相談することで相手側も受け入れやすくなります。
相手側も、「できません」と拒否されると抵抗感が強くなりますが、「難しい」と共感を持ってもらうことで態度が軟化することが多いです。
代替案を一緒に提示する
病院薬剤師は薬局薬剤師と比べて人手不足なことが多いので、夜勤の代わりの代替案を提示することも有効です。
例えば、自分の場合だと
- 配偶者が夜遅くまで仕事の為、夜勤が難しい
- 一方、土日祝日は保育園や配偶者の協力が得られるため、日直が可能、など
自分の希望と合わせて、職場の負担を軽減出来る案を提示できると、お互いにwin-winな関係が生まれます。
期間限定・条件付きの提案も有効
長期休暇にこだわりがない場合は、期間限定や条件付きで夜勤を引き受ける提案も有効な場合があります。
- 年末年始、G.W.などの長期休暇中の当直を引き受ける
- 土日祝日のみ夜勤OK、など
子育てに配慮してもらっている分、出来るだけ自分に無理のない範囲で協力を申し出ると、自分の希望にあったシフトを検討して貰える場合があります。
それでも夜勤が必須と言われた場合の考え方
相談しても、職場の風土によって状況が変わらないことも、残念ながらあります。
そんなときに「自分が悪い」と抱え込まず、これからどう考えるかを整理するための視点をお伝えします。
無理を続けることが正解とは限らない
「子育てで職場に迷惑をかけているので、自分も無理をして働かないと」、薬剤師の方の中にはそう考える方も少なくありません。
ただ、人生をトータルで考えた時に無理を続けるのが正解、とは限りません。
自分の望む働き方が無理せず行えているか、常に自分に問いかけることが重要です。
家族と自分を守る選択もキャリアの一部
「子育てばっかりしてキャリアは大丈夫?」そんな風に周囲に思われることもあります。
ただ、家族と自分を守りつつ働き続けることも、キャリアの一つだと私は考えています。
家事や子育ての両立で大変な分、自分自身は確実に過去の自分よりもスキルアップしているはずです。自分の選んだ道を自信を持って進んでいきましょう。
まとめ|子育て中の夜勤は「できる・できない」ではなく「選べる」
子育て中の病院薬剤師にとって、夜勤はできるかできないかの二択の問題ではありません。
今のライフステージに合った働き方を選ぶこと自体が、長く薬剤師として働くための大切な選択です。
自分が望んだ毎日を過ごせているか、常に考えながら行動していきましょう。
以上、hiyokoでした^^



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