今日は、hiyokoです。3人の子育てをしながら、総合病院で薬剤師として勤務しています。
子育てをしながら病院薬剤師として働くと、毎日の時間との戦いになりますよね。
特に、保育園の送迎や子どもの体調不良が続くと「フルタイムは無理…」「時短を使いたいけど、職場に迷惑かな?」と悩む方も多いはず。
でも大丈夫。
時短勤務は“特別なお願い”ではなく、法律で守られた権利です。
そして、うまく仕組みを使えば、時短でも無理なく働きながらキャリアも続けられます。
この記事では、病院薬剤師として実際に子育てと仕事を両立している立場から、
「制度の理解」「シフト調整のコツ」「キャリアを止めない工夫」
についてまとめました。
同じように悩む薬剤師さんの力になれたら嬉しいです。
時短勤務の基本と制度の理解
まず知っておきたいのは、時短勤務は誰かに遠慮して使うものではなく、法律で認められた制度だということです。
働くママ・パパが無理なく職場を続けられるよう、仕組みが整えられています。
法律・制度で守られる権利
育児中の薬剤師が利用できる法律上の制度には以下があります。
育児短時間勤務(原則3歳まで)
1日の所定労働時間を6時間程度に短縮できる制度です。
病院によって勤務時間の長さや期間に差があり、「小学校就学前までOK」というところも増えています。
時間外労働の制限
小学校就学前までは、残業を免除・制限できる制度です。
利用することで、定時で帰宅し、保育園にお迎えに行くことが可能です。
深夜業の制限
夜勤や当直など、深夜帯の勤務を免除してもらえる制度です。
特に未就学児の場合、「ママ/パパじゃないと寝ない…」ということもあります。
深夜帯の勤務を免除してもらうことで、家族の生活リズムを崩さずに済みます。
有給休暇の時間単位・半日単位取得
育児中は、保育園の面談や子供の通院など、細かい予定が発生しやすいです。
時間単位で有給休暇が取得できると、子供の予定に合わせやすく便利です。
制度を利用する上で、特に大切なのは、制度を利用する=迷惑をかける、では絶対にない
ということ。
法律でも病院の就業規則でも、従業員の育児・介護は配慮すべきと明確にされています。
まずは制度を「自分も使っていい正当な権利」と理解しておくことが大切です。
職場での時短勤務の種類
病院ごとに時短勤務の形はさまざまです。
- 勤務時間短縮
例:9:00〜16:00、8:30〜15:30など - 業務内容の調整
病棟なし、外来中心、薬剤管理指導の制限など - 早出・遅出の免除
子どもの送迎時間に合わせて固定勤務ができる - 短時間勤務正社員(病院によっては可)
世間では、「在宅業務」「フレックスタイム制度」が充実している企業もありますが、病院については、患者さんへの医療の提供時間が固定されているからか、あまり見かけません。
時短勤務を利用する前に、「どの業務なら担当できるか」「どこが難しいのか」を具体的に職場に伝えることが重要です。
実際のシフト調整のコツ
制度があっても、実際にシフトに組み込むのは大変な作業です。
ここでは、自分の希望を出すための、現場で役立つ“リアルなコツ”を紹介します。
希望の出し方
1. 「絶対に外せない時間帯」を最初に伝える
例えば、「保育園へお迎えが必要なので16時には絶対に帰りたい」、「日曜日は保育園が休みなので勤務ができない」など、自分が絶対に外せない時間帯や曜日を最初に伝えておくことが大切です。
特に病院薬剤師の場合、制度によって時間外勤務は免除されても、新薬の勉強会やセミナーなど、自己研鑽の名の下、業務外の内容が振られる場合があります。
勿論、自分が参加したい場合はそれで良いのですが、「今の時期は勉強会よりも子育てを優先したい!」という場合は、初めに自分の意思を明確に職場に伝えておくことが重要です。
2. 紙・メールでロジカルに伝える
- 時短勤務を希望する理由
- 勤務可能時間
- 担当できる業務
を整理して、紙やメール等、文章で書いて伝えると、職場も調整がしやすいです。
口頭で伝えると、時を経るごとに記憶が曖昧になり、「何時から働けるって言ってたっけ・・・?」「どの業務なら出来るんだっけ・・・?」と後で再確認になることも。
後から見返してお互いに確認できる状態がベストです。
3. 代わりに貢献できる業務をセットで提案する
例えば、時短勤務で夕方早上がりする場合、
- 朝一のDI対応
- 午前中の病棟のタスク
- 調剤のスタート作業
など、朝から貢献できる業務を提案すると、相手の負担軽減にもつながります。
ただし、急な子供の体調不良でお休みになることもある為、業務内容は、「自分一人しかできない業務」ではなく「誰でも行える業務」を請け負うと安心です。
4. 1人で抱え込まず、月に1度は調整・相談の場を持つ
イヤイヤ期や、病気の有無など、子供の状態によっては、今の働き方が合わないことも。
自分にとってベストな働き方は生活の変化に合わせて変わるので、定期的に見直すのがおすすめです。
見直した後、「やっぱり出勤&退勤時間をもう少し早くしよう」「土日に働く代わりに、平日の勤務時間を減らしてもらおう」など、希望ができた場合は、職場と調整、相談の場を持つことが大切です。
もちろん職場の方でもシフト調整など、事情があるため、全部の希望が通る訳ではありませんが、あらかじめ相談しておくことで、こちら側の事情も考慮してもらえ、前より働きやすくなることも。
繁忙期・休暇とのバランス
病院にはどうしても繁忙期があります。
- インフルエンザシーズン
- 年末・年度末
- お盆やG.W.など大型連休前後
この時期は、できる範囲で協力する姿勢があると職場の信頼が高まります。
ただし、子どもの行事・家族の予定は、今しか経験できない貴重な時間。
遠慮せず事前申告で確保しておきましょう。
時期によっては、断られることもありますが、「自分が大事にしている事柄」の意思表示をする、という視点が大事です。
さらに、
- 長期休暇前後は引き継ぎメモを丁寧に
- 病棟担当の場合はチームメンバーとこまめに情報共有
- 他の人が休む時は積極的に協力する
これだけで「時短だけど安心して任せられる人」という印象につながります。
時短勤務でもキャリアを維持する工夫
「時短を使うとキャリアが止まるのでは?」と不安になる薬剤師も多いですが、
工夫次第でキャリアは十分に続けられます。
効率よく知識をアップデートする方法
子育て中は、大きな勉強時間は確保しづらいですよね。
だからこそ、次のように“スキマ時間前提”で回すのがポイント。
- 通勤時間に医療系アプリの新着チェック
- 昼休みにガイドラインの要点だけ読む
- Web配信の研修はアーカイブで夜に視聴
- 学会はWeb参加や、近場で行われる場合のみに現地参加
また、院内の症例検討や委員会は多数ある為、「最低限参加すべきもの」を決めておくと負担が減りつつ、評価につながります。
評価や昇進への影響を最小化する
時短勤務は決してマイナス評価ではありません。ただ、“何をしていたか見えにくい”のは事実。
だからこそ、
- 月ごとの活動をメモで記録
- 症例・服薬指導・委員会の参加実績を残す
- 年度の面談で「キャリアは継続したい」意思を伝える
- 得意分野(DI、感染、NSTなど)を小さくても良いから作る
こういった積み重ねが、のちの昇進や配置に強く影響します。
まとめ:無理なく働くためのポイント
フルタイムと比べて、時短勤務は人によっては軽視されがちですが、子育てや介護を両立しながら、仕事を続けていくための、法律で認められた正当な権利です。
「時短だから・・・」と遠慮せず、自分にとって必要なことは明確に伝えていき、職場とのシフト調整を行っていきましょう。
また、退職してしまうと、キャリアは途絶えてしまいますが、時短勤務を続けることで、キャリアは十分に継続できます。
子育てしながら、薬剤師を続けるのは簡単ではありませんが、完璧を求めず、今、自分に、「できる範囲」で、無理なく進めていきましょう。
以上、hiyokoでした^^



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