【日病薬認定薬剤師試験範囲】薬剤師が知っておくべき「医薬品医療機器等法(薬機法)」の基本|現場で役立つポイントをわかりやすく解説

日病薬認定試験勉強

今日は、hiyokoです。総合病院で薬剤師として勤務しています。

医療現場で働く薬剤師にとって、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法、薬機法)」は必須の知識です。
ただ、法律の条文は難しく、「結局、薬剤師としてどの部分を知っておけばいいの?」と疑問に感じることも多いはず。


この記事では薬剤師が現場で実際に役立つ“医薬品医療機器等法の基本”をわかりやすくまとめています。
ブランク明け・新人薬剤師の復習にも使える内容です。

医薬品医療機器等法とは?目的をわかりやすく解説

医薬品医療機器等法とは、
医薬品・医療機器等の有効性・安全性を確保し、国民の生命・健康を守るための法律です。

かつて「薬事法」と呼ばれていた法律が改正され、名称が「医薬品医療機器等法」に変わりました。更に、現在の法律を略して「薬機法」と呼ばれています。

薬機法が対象とするものは以下の通りです。

  • 医薬品(処方薬・OTC)
  • 医療機器
  • 再生医療等製品
  • 医薬部外品
  • 化粧品

薬局で取り扱うもののほとんどが薬機法の管理下にあります。
そのため、薬剤師は最低限の仕組みを理解しておく必要があります。

薬機法で規制されるポイント

薬機法はとても広い法律ですが、薬剤師が特に関わる部分は以下の4つです。

製造・販売に関するルール

医薬品が世の中に出るまでには、品質管理のルールとして

  • GMP(Good Manufacturing Practice):製造管理及び品質管理に関する基準
  • GQP(Good Quality Practice):製造販売品質保証基準
  • GDP(Good Distribution Practice):医薬品の流通に関する基準
    などが定められています。

「安全で品質が安定した医薬品だけを届ける」ための仕組みです。

市販後の安全対策

医薬品は発売して終わりではありません。
使用されて初めて分かるリスクもあるため、薬機法では以下の制度が設けられています。

  • 副作用報告義務
  • 再審査制度(一定期間、安全性・有効性の再確認)
  • 再評価制度(必要に応じて再調査)
  • RMP(リスク管理計画)

RMPについては、以下の記事も参考にして下さい。

薬剤師が日常の服薬指導で感じた異変が、安全対策につながることもあります。

流通・販売の規制(薬局・薬剤師の役割)

薬局が運営される際には明確なルールがあります。

  • 薬局開設許可
  • 薬剤師の配置義務
  • 調剤録・薬歴の作成義務
  • 一般用医薬品の販売分類(第1類〜第3類)

また、薬剤師は販売時に必要な情報提供を行う義務(説明義務)があります。
薬機法は日々の調剤・販売業務に深く関係しています。

医薬品広告のルール

薬機法には広告規制があります。

・医薬品について、名称や効能効果などに関して、虚偽又は誇大な記事を広告してはいけない

承認前の医薬品は、名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して広告してはいけない

hiyoko
hiyoko

医療従事者が「この薬は効果がある!」と一般人に宣伝するのもだめだよ!

ドラッグストア勤務の薬剤師やブログを書く薬剤師も注意が必要です。

薬剤師が現場で関わる薬機法のポイント

薬機法は薬局の基盤となる法律なので、日頃の行動にも直結しています。

  • 調剤過誤防止のための管理方法
  • 調剤録・薬歴の作成及び保管(義務)
  • 薬剤師の5つの義務(信用保持義務など)
  • 薬局の構造設備基準
  • 一般用医薬品販売時の説明義務・情報提供の義務

普段当たり前にやっている手順の多くは、薬機法に根拠があります。

薬機法の近年の改正ポイント(現場で影響が大きい部分)

最近の薬機法は「薬局の機能・役割」を重視する方向へ変化しています。

2022年以降のポイントは、

  • オンライン服薬指導の正式化
  • 電子処方箋導入
  • デジタル化による管理強化

オンライン服薬指導や、電子処方箋は、地方では中々普及が進んでいないのが事実です。

ですが、将来、調剤業務・情報管理が大きく変わる可能性はあります。

薬剤師が薬機法を理解しておくメリット

薬剤師にとって薬機法は、“最低限の専門知識”と言えるほど重要です。

  • 調剤や服薬指導の質が上がる
  • トラブルや調剤過誤の防止につながる
  • 管理薬剤師へのステップに役立つ
  • ブランク明けの不安を減らせる
  • 現場の「なぜ?」が理解できるようになる

薬剤師として働く以上、薬機法を知ることは大きな武器になります。

まとめ|薬機法は“広く浅く”でOK!まずは現場で使う部分から理解しよう

薬機法はとても範囲の広い法律ですが、
薬剤師が知っておくべき部分は実はそれほど多くありません。

  • 現場でよく使う部分
  • 調剤・販売に関係する部分
  • 安全対策の考え方

まずはここだけ押さえれば十分です。

日々忙しい中ではありますが、毎日の業務と関連づけて少しずつ学んでいきましょう。

以上、hiyokoでした^^

以下の項目の試験対策としてまとめました。

日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験 出題基準
Ⅰ.医療倫理と法令を順守する
Ⅰ-3:法令順守
●医薬品医療機器等法の概要について理解している。

以下の資料を参考にしています。

・厚生労働省「医薬品・医療機器」「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン検討の経緯
医薬品等の広告規制について」「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律要綱

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