今日は、hiyokoです。総合病院で薬剤師として勤務しています。

入っている医療保険に「先進医療特約」がついてたよ!

先進医療についてざっくりおさらいしていこう!
今回は、近年話題となっている先進医療について勉強していきます。
先進医療とは
医療の中で安全性や有効性がまだ十分確立していないけれど、将来の保険診療の対象として有望と認められた治療法のことを指します。
「先進医療に係る費用」は全額自己負担(自由診療)となりますが、それ以外の通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様になります。

つまり、どういうこと?

保険診療と自由診療を組み合わせた治療が可能ってことだね!
医療の原則としては、保険診療と自由診療を同時に行う「混合診療」は禁止されています。
しかし、先進医療については例外として、保険と併用できる決まりになっています。
先進医療の種類
厚生労働省の通知をまとめると次のようになっています。
先進医療A
・未承認や適応外の医薬品や医療機器の使用がない治療法
・未承認、適応外の体外診断薬、検査薬の使用があるが、患者への影響が少ない技術
例としては、「特定の画像診断支援AIの使用」などが挙げられます。
先進医療B
・未承認や適応外の医薬品や医療機器の使用がある治療法
・未承認や適応外の医薬品や医療機器の使用がないが、患者への影響を十分観察しなければならない技術

Bの方が、患者への影響が大きそうだね!
例としては、「自家膵島移植術」などが挙げられます。
先進医療の話題について
主に2つの分野についてピックアップして確認していきます。
抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法(A-FMT療法)
先進医療Bに該当する治療法です。
患者の腸内細菌を抗菌薬で減らした後、健康な人の便から抽出した腸内細菌を入れて、健康な人の腸内細菌環境に近づける治療法です。
一部の医療機関において、臨床試験が行われています。
コンパニオン診断
治療薬が患者さんに効果があるかを、治療を開始する前に検査する診断を指します。

薬を飲まないのに効果があるか分かるの?

遺伝子の検査をして、調べることが可能だよ!
例えばがん患者さんの場合、一部の遺伝子が変異していることがあります。その変異に対応する薬を使用すれば、より効果的で、より副作用を抑えた治療が可能です。個別化医療にも役立ちます。
診断に使用する薬は先進医療Aに該当することがあります。
まとめ
先進医療については、病院によってはあまり馴染みがないかもしれません。将来の選択肢としてこういうものがあるんだと、ざっくり知っておきましょう。
以上、hiyokoでした^^
以下の項目の試験対策としてまとめました。
日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験 出題基準
Ⅰ.医療倫理と法令を順守する
Ⅰ-1:薬剤師の使命と責任
●先進医療に関して近年話題となった事項について理解している。
記事を作成するにあたり、以下の資料を参考にしています。
- 厚生労働省「先進医療の概要について」「先進医療 A 及び先進医療 B の分類に係る考え方について(案)」
- メタジェンセラピューティクス株式会社「【プレスリリース】潰瘍性大腸炎を対象とした「抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法」が先進医療Bとして承認、2023年1月より実施」



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