今日は、hiyokoです。総合病院で薬剤師として勤務しています。
医療現場でよく耳にする「インフォームド・コンセント(Informed Consent)」。
医師だけでなく、薬剤師にも深く関わる重要な考え方です。
近年では、患者中心の医療やチーム医療が重視されており、薬剤師にも「説明責任」や「患者理解を得る姿勢」が求められています。
この記事では、日病薬認定薬剤師試験の勉強として、
- インフォームド・コンセントの意味
- 法的根拠
- 薬剤師業務との関わり
- 実務で意識したいポイント
について、できるだけわかりやすく整理していきます。
インフォームド・コンセントとは?
インフォームド・コンセントとは、「患者が十分な説明を受け、内容を理解し、納得したうえで医療行為を選択・同意すること」を指します。
単に「説明して同意書にサインをもらうこと」ではありません。
患者本人が、
- どんな治療なのか
- どんな効果が期待できるのか
- 副作用やリスクはあるのか
- 他の選択肢はあるのか
を理解したうえで、自分で選択できることが大切です。
昔は、医療者主導で治療方針を決めてしまう流れも一部ありましたが、近年の医療では、「医療者が決める医療」ではなく、「患者と一緒に考える医療」が重視されています。
インフォームド・コンセントの法的根拠
医療法第1条の4第2項では、
「医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない」
とされています。
つまり、インフォームド・コンセントは医師だけのものではなく、薬剤師にも関係する重要な考え方なのです。
薬剤師とインフォームド・コンセントの関係
薬剤師は、患者へ薬の説明を行う専門職です。
特に薬剤師法第25条の2では、
薬剤師は、調剤した薬剤の適正な使用のため、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たつている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。
と定められています。
つまり、服薬指導そのものが、インフォームド・コンセントを支える重要な役割を持っていると言えます。
例えば、
- 用法・用量
- 副作用
- 飲み合わせ
- 保管方法
- 自己中断によるリスク
などを患者へ分かりやすく説明し、理解を得ることが重要です。
薬剤師が実務で意識したいポイント
薬剤師が実際の現場で意識するポイントについてまとめます。
専門用語を避ける
どうしても医療従事者は、日頃から使っている医療用語を交えて患者さんに説明しがちです。
しかし、医療用語は患者さんにとって、耳慣れない言葉でもあり理解が難しいことも多いです。
例えば、
- 「眠気が出現する可能性があります」
→「眠くなることがあります」 - 「コンプライアンス」
→「飲み忘れなく続けること」
のように、分かりやすい表現へ言い換える工夫が大切です。
一方的に説明しない
説明した“つもり”でも、患者さんが理解できていない場合があります。
- 「ここまでで気になることはありますか?」
- 「飲み方を一緒に確認しましょう」
など、理解度を確認し、双方向のコミュニケーションを意識することが重要です。
患者の価値観を尊重する
同じ治療でも、
- 副作用を避けたい
- 効果を優先したい
- 飲む回数を減らしたい
など、患者ごとに重視するポイントは異なります。
薬剤師は「正しい説明」をするだけでなく、患者背景を踏まえて支援する姿勢が求められます。
実際に、患者窓口では、「生活リズムの関係で、朝じゃなく夕食後に飲みたい」「先生にいつも薬を処方してもらってるけど、副作用が怖くて飲んでない」など、診察室では言えなかった余談を患者さんが話してくれる時があります(飲んでない時は一瞬焦ります💦)。
患者さんの価値観を確認し、得られた情報を医師や看護師と共有することで、患者さんに応じたベストな治療方法を一緒に考えることが可能です。
インフォームドコンセントの流れ
治療を開始する前に、医師から、治療の目的、方法、治療を行わない場合の他の治療法、使用する薬の特徴(効果と副作用)などが書かれた説明文書が患者さんに渡されます。
医師が文書の内容について説明した後、患者さんは、疑問点や確認したいこと等気になることは何でも質問できます。
その後、患者さん自身がその治療を受けるかどうか、自分の意思で決定します。説明されたその場で決めず、家に帰って家族に相談してから決めても大丈夫です。
治療を受けると決めたら、同意文書に患者さんと医師がそれぞれ自筆で署名します。文書の控えは患者さんに渡されます。
以上がインフォームドコンセントの流れです。
勿論、患者さんの意思が最優先なので、途中で治療を辞めたい、変更したいとなったら同意した後でも、いつでも治療をやめることが出来ます。
オンライン服薬指導でも重要
近年はオンライン服薬指導も広がっています。
厚生労働省は、
オンライン服薬指導とは、映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが可能な方法で服薬指導を行うことです。
と示しています。
対面と比べて表情や雰囲気が伝わりにくいため、
- ゆっくり話す
- 画面越しでも理解確認を行う
- 資料を活用する
など、より丁寧な説明が重要になります。
日病薬認定薬剤師試験対策として覚えたいポイント
試験勉強では、以下を整理しておくと覚えやすいです。
押さえたいポイント
- インフォームド・コンセント=十分な説明と患者の理解・同意
- 患者の自己決定権を尊重する考え方
- 医療法に基づく
- 薬剤師も対象
- 服薬指導はインフォームド・コンセントを支える役割
- 一方的説明ではなく双方向コミュニケーションが重要
まとめ
インフォームド・コンセントは、単なる「説明義務」ではありません。
患者さんが理解し、納得し、自分で選択できるよう支援することが本来の目的です。
薬剤師は、薬の専門家として患者に最も近い立場の一つです。
だからこそ、
- 分かりやすく伝える
- 不安を確認する
- 患者背景を尊重する
といった姿勢が、より重要になっていくのだと思います。
以上、hiyokoでした^^
以下の項目の試験対策としてまとめました。
日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験 出題基準
Ⅰ.医療倫理と法令を順守する
Ⅰ-1:薬剤師の使命と責任
⚫️インフォームドコンセントについて理解している
記事を作成するにあたり、以下の資料を参考にしています。
- 厚生労働省「インフォームド・コンセント」「オンライン服薬指導に関する情報」


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