【日病薬認定薬剤師試験対策】糖尿病治療薬の種類と特徴を一覧で解説|作用機序・副作用・相互作用のポイント

日病薬認定試験勉強

今日は、hiyokoです。総合病院で薬剤師として勤務しています。

糖尿病治療薬は種類が多く、それぞれ作用機序や副作用が異なります。

近年はDPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬など新しい薬剤が次々と登場し、薬剤師には薬効群ごとの特徴を理解したうえで服薬指導や処方監査を行うことが求められています。

本記事では、糖尿病治療薬について作用機序、副作用、体内動態、相互作用のポイントを薬剤師向けに整理します。

糖尿病薬の種類については、過去の記事も参考にして頂けると嬉しいです^^

【日病薬認定薬剤師試験対策】糖尿病とは?病態・検査・治療薬を薬剤師向けにわかりやすく解説
糖尿病の病態、診断基準、HbA1c、血糖コントロール目標、治療薬の特徴を薬剤師向けにわかりやすく解説。日病薬認定薬剤師試験対策として、インスリンやSGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬などのポイントもまとめました。

糖尿病治療薬の分類

糖尿病治療薬は大きく以下のように分類できます。

インスリン分泌を促進する薬

  • SU剤
  • グリニド薬
  • DPP-4阻害薬
  • GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬
  • イメグリミン

インスリン抵抗性を改善する薬

  • ビグアナイド薬
  • チアゾリジン薬

糖の吸収・排泄に作用する薬

  • SGLT2阻害薬
  • α-グルコシダーゼ阻害薬

それぞれ作用部位が異なるため、患者の病態に応じて使い分けられます。

SU剤、速効型インスリン分泌促進(グリニド)薬

作用機序

膵β細胞のATP感受性Kチャネルを閉鎖し、インスリン分泌を促進します。

主な副作用

SU剤では、単剤使用の場合でも低血糖を起こす可能性があり、注意が必要です。

薬剤師の確認ポイント

SU剤では、高齢者や腎機能低下患者では重篤な低血糖に注意します。

グリニド系は速効型かつ短時間作用型の為、低血糖を起こしにくいですが、毎食直前に内服する必要があり、コンプライアンスの向上が求められます。

DPP-4阻害薬

作用機序

DPP-4を阻害し、インクレチン濃度を上昇させることで血糖依存的にインスリン分泌を促進します。

DPP-4は、インクレチン(インスリン分泌を促進するホルモンの総称)を分解してしまう酵素です。

特徴

  • 単剤の場合、低血糖が少ない
  • 高齢者でも使用しやすい
  • 体重増加を起こしにくい

薬剤師の確認ポイント

腎機能による用量調節の有無を確認します。DPP-4阻害薬の中には、腎機能低下時も用量調節不要な薬剤もあり、高齢者にも使いやすいです。

GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬

作用機序

GIP受容体、GLP-1受容体を刺激し、血糖依存的にインスリン分泌を促進します。また、グルカゴン分泌抑制作用も報告されています。

GLP-1とGIPはどちらもインクレチンの1つで、すぐDPP-4に分解されてしまいます。GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬はどちらもDPP-4に分解されにくい構造の薬になっており、受容体に結合することで、インスリン分泌を促進します。

主な副作用

  • 悪心
  • 嘔吐
  • 食欲低下

薬剤師の確認ポイント

消化器症状による服薬継続困難に注意します。また、GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬はその副作用を逆手に取り、高度肥満に対する治療薬としても別に製品が存在します。

お薬手帳や患者さんからの聞き取りで、これらの薬を併用していないかの確認が重要です。

イメグリミン

作用機序

ミトコンドリア機能を改善することで血糖値を低下させる新しい作用機序の糖尿病治療薬です。

ミトコンドリア機能の改善を介して、インスリン分泌促進とインスリン抵抗性改善の両方に作用します。

2型糖尿病では、膵β細胞からのインスリン分泌低下や、肝臓・筋肉でのインスリン抵抗性の増大がみられます。イメグリミンは細胞内のミトコンドリアに作用し、これらの異常を改善すると考えられています。

ビグアナイド薬(メトホルミン)

作用機序

肝臓での糖新生抑制やインスリン抵抗性改善により血糖を低下させます。骨格筋での糖取り込み増強作用や腸管からの糖吸収抑制作用も報告されています。

主な副作用

  • 下痢
  • 悪心
  • 乳酸アシドーシス

薬剤師の確認ポイント

  • 脱水
  • 重度腎障害
  • 造影剤検査
  • 手術予定

の有無を確認します。休薬が必要になるケースが他の薬剤と比べて多い為、患者さんに十分な説明が必要です。

チアゾリジン薬

作用機序

核内受容体であるPPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)を活性化することで、インスリン抵抗性を改善します。

脂肪細胞への作用によりアディポネクチンの産生を増加させ、筋肉や肝臓での糖利用を促進することで血糖値を低下させます。

主な副作用

  • 浮腫(むくみ)
  • 体重増加
  • 心不全の増悪
  • 肝機能障害
  • 骨折リスクの増加

特に浮腫や体重増加は比較的よくみられる副作用として知られています。

薬剤師の確認ポイント

チアゾリジン薬は体液貯留を起こしやすく、心不全を悪化させる可能性があります。

心不全の既往歴がないか、息切れ、浮腫、急激な体重増加などの症状がないか確認が必要です。

また、中年以降の女性では骨折リスクの増加が報告されています。転倒歴や骨粗鬆症の有無にも注意が必要です。

SGLT2阻害薬

作用機序

腎近位尿細管のSGLT2を阻害し、尿中への糖排泄を促進します。

SGLT2は腎臓でグルコースの再吸収に関わるたんぱく質です。阻害して、糖の再吸収をさせないことで、糖が尿に排出され、血糖が低下します。

主な副作用

  • 脱水
  • 尿路感染症
  • 性器感染症
  • ケトアシドーシス

薬剤師の確認ポイント

患者へ十分な水分摂取を指導します。特に夏場や高齢者では脱水リスクに注意が必要です。

また、糖が尿に排出されることから、それに伴った感染症が性器周りで生じやすくなります。何か異変を感じたら、すぐ医師に伝えることが重要です。

αーグルコシダーゼ阻害薬(αーGI)

作用機序

腸管からの糖の吸収を遅延させることで食後高血糖を抑制します。

αーグルコシダーゼは2糖類の消化の最終段階で関与する酵素です。

薬剤師の確認ポイント

単剤使用の場合は、低血糖を起こしにくいです。

糖吸収に関与することから、毎食直前に内服する必要があります。また、他の作用機序の薬剤と比べ、服用回数が多い為、患者さんの内服支援が重要です。

糖尿病治療薬を学ぶ際のポイント

糖尿病治療薬は薬剤名を暗記するよりも、

  • どこに作用するか
  • インスリンを増やすのか
  • インスリン抵抗性を改善するのか
  • 糖を排泄するのか

を理解すると整理しやすくなります。

糖尿病治療薬の副作用

全薬剤に共通する注意としては「低血糖」があります。これは身体の中の血糖が下がりすぎてしまう状態です。冷や汗が出たり、手が震える、等の症状があります。

低血糖の症状が出たら、すぐに甘いものを摂るよう指導します。市販の砂糖入りのジュースや飴等でもOKです。

ただし、αーグルコシダーゼ阻害薬のみ、砂糖では低血糖症状が改善されません。作用機序として糖の消化を阻害して、吸収を遅らせる為です。このお薬が処方されている患者さんには「ブドウ糖」を摂るよう指導する必要があります。

処方監査・服薬指導で実際に確認すること

薬剤師が処方監査で確認するポイント

調剤の際の処方監査では、各薬剤で特に注意したいポイントを確認します。

  • メトホルミン→腎機能が低下していないか
  • SGLT2阻害薬→脱水症状の訴えはないか
  • SU剤→低血糖を起こしていないか
  • ピオグリタゾン→浮腫はないか

病院薬剤師の場合は、外来の窓口や入院病棟で、患者さんにヒアリングを行うことで情報を拾い上げることができます。

服薬指導でよく聞かれる質問

患者さんから実際に聞かれる質問としては、

  • SGLT2阻害薬で尿が増えるのはなぜ?
  • αーグルコシダーゼ阻害薬はどうして食事の直前に飲まないといけないの?
  • DPP-4阻害薬は低血糖になりにくいのはどうして?

などがありました。

特に用法については、ご家族や施設の方からの質問も見られます。

薬剤師として、薬の作用機序を理解していると、こうした質問にも根拠を持って答えることが可能です。

まとめ

糖尿病治療薬は種類が多いものの、作用機序ごとに整理すると理解しやすくなります。

服薬指導や処方監査では、

  • 低血糖
  • 脱水
  • 腎機能
  • 消化器症状

など薬効群ごとの注意点を把握しておくことが重要です。

以上、hiyokoでした^^

以下の項目の試験対策としてまとめました。

日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験 出題基準
Ⅴ.ファーマシューティカルケアを実践する
Ⅴ-1:医薬品(製剤)特性
●医薬品の作用機序、副作用及び体内動態、相互作用等について理解している。
・糖尿病治療薬

記事を作成するにあたり、以下の書籍・資料を参考にしています。

  • 治療薬ハンドブック2025 薬剤選択と処方のポイント,じほう, 2025
  • 各薬剤添付文書、インタビューフォーム

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